アオイ(葵)(読み)アオイ

百科事典マイペディア 「アオイ(葵)」の意味・わかりやすい解説

アオイ(葵)【アオイ】

アオイ科タチアオイゼニアオイトロロアオイモミジアオイなどの俗称。古くはフユアオイをいい,アジアの温帯〜亜熱帯原産。平安時代に渡来し,薬用野菜として栽培された。花は小さく径1.2cm内外,微紅色。現在は暖地海岸などに野生化している。また徳川家の紋章の葵はウマノスズクサ科フタバアオイ(一名カモアオイ)で,その近縁種カンアオイがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アオイ(葵)」の意味・わかりやすい解説

アオイ(葵)
アオイ

アオイ科のアオイ属 Malvaやフヨウ属 Hibiscusおよびその近縁の属などを総称する名であるが,また単にゼニアオイやフユアオイをさすこともある。ゼニアオイ M. sylvestrisは古く中国から渡来した越年草で,農家の庭などによく植えられる。草丈 60~90cm,葉は長い葉柄があって互生し,円形で5~9の浅い切れ込みをもち,縁には浅い鋸歯がある。5~6月頃,葉腋に直径 2cmぐらいの花を数個つける。花の下には3個の小包葉と5つに分れた緑色の萼がある。花弁は5枚,淡紫色で紫色の筋が目立つ。おしべは集って長い中空の円筒をつくり,その中を細長いめしべの花柱が通る。アオイというのは日を仰ぐという意味に由来するという。

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