アウグスト2世(読み)アウグストにせい

改訂新版 世界大百科事典 「アウグスト2世」の意味・わかりやすい解説

アウグスト[2世]
August Ⅱ
生没年:1670-1733

ポーランド国王。在位1697-1733年。〈強力王〉と称された。1694年にザクセン選帝侯(フリードリヒ・アウグスト1世),97年にポーランド国王となる。ルイ14世にあこがれ,ポーランドにも絶対主義的な支配を導入しようとするが成功しない。ロシアと結んでスウェーデン北方戦争を戦ったのも,スウェーデン領リボニアをポーランド領に併合することでシュラフタ貴族)の好意を得ることができると考えたからである。緒戦で勝利したカール12世によって退位させられるが,ピョートル1世によって再び復位させられる。ロシアの圧倒的な影響力を排除すべく内政改革につとめるが,ロシアの干渉によって失敗する。サスキ公園の建設に代表されるように,現在みられるようなワルシャワを作りあげるうえで貢献するところが大きかった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウグスト2世」の意味・わかりやすい解説

アウグスト2世
アウグストにせい

フリードリヒ・アウグスト1世」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のアウグスト2世の言及

【ポーランド】より

…すでに1525年,ルター主義の普及で崩壊の危機にしたドイツ騎士団を,ジグムント1世父王Zygmunt I Stary(1467‐1548。在位1506‐29)はプロイセン公国としてその保護下に置いたが,61年にジグムント2世アウグストZygmunt II August(在位1529‐72)は,同じ危機に直面したリボニアの刀剣騎士団の旧領地の西半分をクールラント公国としてその保護下に置くとともに,その東半分をポーランドに併合してしまった。この処置にロシアのイワン世(雷帝)が反対し,以後およそ1世紀も続くことになるリボニア戦争が始まることになった。…

【マイセン磁器】より

…ヨーロッパでは,18世紀初めまで軟磁しか存在せず,中国から清代初期以降盛んに輸出された五彩磁器や日本の伊万里焼(有田焼)の模倣を行っていた。東洋の磁器の収集家で知られるザクセンのアウグスト2世はJ.F.ベットガーに命じて,1709年ヨーロッパで最初の硬質磁器焼成を成功させた。翌年王はマイセンのアルブレヒト城内に王立マイセン磁器製作所を創設,ベットガーのもとで朱泥手の炻器(せつき)の生産を始め,3年後にはカオリンを用いて白磁器を焼成した。…

※「アウグスト2世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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