アイダホ(読み)あいだほ(英語表記)Idaho

翻訳|Idaho

精選版 日本国語大辞典 「アイダホ」の意味・読み・例文・類語

アイダホ

(Idaho) アメリカ合衆国西部、ロッキー山脈西側の州。一八四六年アメリカ領、一八九〇年第四三番目の州として編入州都ボイジー。

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改訂新版 世界大百科事典 「アイダホ」の意味・わかりやすい解説

アイダホ[州]
Idaho

アメリカ合衆国北西部の山地州。略称Ida.。連邦加入1890年,43番目。面積21万4314km2人口156万7582(2010)。州都および最大都市はボイシ。州名はショショーニ・インディアンの言葉で〈太陽が昇る〉の意。1818年よりイギリスと合衆国が共同領有し,46年に合衆国領となった。東部にロッキー山脈の西側斜面が広がり,流れ出る多くの河川は溶岩性のコロンビア高原を深く刻み込んでいる。とくにスネーク川がオレゴン州との州境につくるヘルズ・キャニオンは,深さ平均1600m(最深2400m)におよぶ合衆国最深の峡谷である。標高1000m以上の地域が多くを占め,州面積の4分の1は森林であるが,南部は乾燥しステップ地帯が広がる。都市の発達は限られ,いまだにフロンティア特質をとどめる州であり,農牧業,林業,鉱業が経済の中心をなす。ルイス=クラーク探検隊(1805)以来,毛皮商人や宣教師が入ったが,最初の白人定住入植者は1860年にフランクリンに集落をつくったモルモン教徒で,灌漑農業に従事した。同年に金が発見されゴールドラッシュが起こり,入植者が増加した。以来,モルモンと他教徒との争いが絶えず,反モルモン主義の社会環境が根強く残る。南部に広がるスネーク川平野は,灌漑の進んだ大農業地帯で,アイダホ・ポテトとして日本でも名高いジャガイモ(全米2位,1980)をはじめ,大麦(1位),テンサイ,豆類,小麦アルファルファの種,ホップ,果物などの栽培が盛んである。サンバレーをはじめとする観光開発事業も近年進められてきた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイダホ」の意味・わかりやすい解説

アイダホ
あいだほ
Idaho

アメリカ合衆国、北西部の山岳州。面積21万6412平方キロメートル、人口129万3953(2000国勢調査速報値)。州都ボイシ。北境をカナダのブリティッシュ・コロンビア州に接する未踏地の多い州で、大まかには、北東部のロッキー山脈地域と南西部のグレート・ベースン(大盆地)、コロンビア台地の一部の溶岩台地に分かれる。全域にわたって森林地帯、川、湖沼、滝、峡谷が点在する。とくに、中北部の山岳地には州の国有林の5分の2が集中し、林業、鉱業が盛んで、近年は観光開発が脚光を浴びている。南部を流れるスネーク川の流域は、肥沃(ひよく)な土地と水に恵まれ、灌漑(かんがい)の中心地。気候は多様であるが、高山ステップ気候に属する。一貫して農業が主産業で、とくに全米第1位の産高を誇る大麦をはじめ、ジャガイモ(ミシガンに次いで第2位)、そのほか小麦、サトウダイコン、干し草栽培が盛んである。近年は畜産が注目されている。発達の目覚ましい工業は、食品加工業を主として、機械、化学、製材、木工やエレクトロニクス部門の進出が目だつ。林地が州の3分の1を占め、林業が重要であるとともに鉱業も盛んで、銀、リン酸塩、鉛、亜鉛を産する。

 地形の関係上、白人の入植は遅く、1805年にイギリスの探検隊が踏査したのが最初である。その後、毛皮交易所が設けられ、1830年代から1850年代はモルモン教徒の定住地となった。しかし定住者の急速な増加は1860年代のゴールド・ラッシュ以降である。1863年に準州となり、1880年代の鉄道の開通が発展へのきっかけとなった。1890年、合衆国43番目の州に昇格した。人口の91%は白人で、ドイツ系、スウェーデン系、ノルウェー系が主体であり、ボイシを中心としたスネーク川流域に人口が集中する。大学は9校あり、モスコーにあるアイダホ大学がその中心。

[作野和世]


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デジタル大辞泉プラス 「アイダホ」の解説

アイダホ

①《Idaho》アメリカ海軍の戦艦。ミシシッピ級。前弩級戦艦。船体識別番号はBB-24。1905年進水、1908年就役。1914年退役。
②《Idaho》アメリカ海軍の戦艦。ニューメキシコ級の超弩級戦艦。船体識別番号はBB-42。1917年進水、1919年就役。①とは異なる艦。1930年代前半に近代化改装を受ける。第二次世界大戦中は太平洋艦隊に編入。硫黄島上陸作戦、沖縄作戦などを支援。1946年退役。1947年に売却され、スクラップとして解体。

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