アイスホッケーの反則と罰則(読み)あいすほっけーのはんそくとばっそく

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アイスホッケーの反則と罰則
あいすほっけーのはんそくとばっそく

アイシング・ザ・パック icing the puck
 攻撃側の選手がセンターラインの手前から出したパックが、誰にも触れられず守備側のゴールラインを越えること。競技は停止され、攻撃側のディフェンディングゾーンでのフェイスオフでゲーム再開する。ただし、ペナルティーにより人数が少ないチームには適用されない。

インターフェアランス interference
 パックを保持していない相手を妨害し、進行を妨げる反則

エルボーイング elbowing
 ひじを使って相手を妨害する反則。

オフサイド offside
 攻撃側がパックよりも先にアタッキングゾーンに入ってしまうこと。他の味方選手がパックより先にラインを割ってしまった場合、ブルーライン近くのフェイスオフ・スポットで再開される。また、パスによってレシーバーオフサイドになった場合は、パスが出された場所でフェイスオフとなる。攻撃側がパックに触らず、守備側にパックがあるとみなされた場合、オフサイドに位置する攻撃側の選手がブルーラインの外側に出れば、オフサイドは解消される。また、故意にオフサイドをしたとみなされた場合は、ディフェンディングゾーンでのフェイスオフとなる。

キッキング kicking
 相手を蹴る行為

クリッピング clipping
 背後、横または前から相手に近づき、相手のひざの周辺またはひざ下を目がけて身体を投げ出したり、チャージしたり、倒れ込む行為。

クロスチェッキング cross-checking
 スティックを両手で持ち上げ、突き出して相手をチェック(妨害)する反則。

ゲーム・ミスコンダクト・ペナルティー game misconduct penalty
 その試合の残り時間を退場となり、更衣室行きを命じられるが、ただちに交代選手の出場が認められる。

スラッシング thrashing
 スティックで相手をたたいたり、振り回したりすることによって相手の進行を妨げる反則。

チェッキング・フロム・ビハインド checking from behind
 相手の背後から走り込んだり、飛びかかったり、なんらかの方法でぶつかったりする反則。

チャージング charging
 相手に向かって走ったり飛びかかったりしてチャージする反則。

トゥー・メニー・プレイヤーズ・オン・ジ・アイス too many players on the ice
 プレー進行中6名を超える選手が氷上に出たときの反則。

トリッピング tripping
 スティック、ひざ、足、腕、手またはひじで相手をつまずかせたり転ばせたりする反則。

ニーイング kneeing
 ひざを使って、相手を妨害する反則。

ハイ・スティッキング high sticking
 スティックを肩の位置より上に持ち、そのスティックを相手選手と接触させる反則。

バット・エンディング butt ending
 上腕より高い位置でスティックのシャフトを使って相手選手をチェック(妨害)したときの反則。

フッキング hooking
 スティックでひっかけることによって相手の進行を妨害する反則。

ヘッド・バッティング head butting
 相手に頭突きを試みたり、故意に頭突きをした場合の反則。

ペナルティー・ショット penalty shots
 その妨害行為がなければ、相手に得点の可能性があったと認定されて課される罰則。試合残り時間が2分を切ってからの不当な選手交替、故意のゴール移動、ゴールクリーズ内のフォーリング・オン・ザ・パック(ゴールキーパー以外の選手がパックを手または体で覆うこと)やパックを拾い上げる行為、スティックを投げる妨害行為、背後からのフッキングトリッピングによる妨害行為などがこれにあたる。有資格選手がレフェリーの指示に従い、相手ゴールキーパーと1対1で、1回だけショットすることができる。

ホールディング holding
 手またはスティックで相手を押さえつける、相手のスティックをつかむ等の反則。

ボーディング boarding
 ボディチェック、エルボーイングチャージング、またはトリッピングにより、相手をボードに激しく衝突させた場合の反則。

マイナー・ペナルティー minor penalty(正味2分間退場)
 選手は2分間退場し、その間チームは欠員のまま試合を続行する。クロスチェッキング、チャージング、トリッピング、ホールディングなどの反則がおもな対象となるが、そのほかパックをつかんだり、押さえたり、またはゴールキーパーがパックを3秒以上持ったり、前や場外へ投げたり、ゴールネットの上にのせたり、隠したりするなどの大部分の反則のペナルティーがこのマイナー・ペナルティーに該当する。

マッチ・ペナルティー match penalty(残余時間退場)
 相手の選手、役員に危害を加えようとした者、また傷害を与えた者は、残余時間中出場を禁止され、ただちに更衣室入りを命じられる。原則としてもっとも厳しい判断が下され、以後の試合には最高責任者(連盟会長)の許可があるまで出場できない。なお、交代選手の出場は、5分経過後に認められる。

ミスコンダクト・ペナルティー misconduct penalty(正味10分間退場)
 交代選手の出場が許され、チームは欠員とならない。場外にスティックを投げたり、役員、選手に暴言を吐いたりした場合、この罰則となる。

メジャー・ペナルティー major penalty(正味5分間退場)
 相手を激しくボードにたたきつける体当たりをした場合、負傷させた場合、またゴールキーパーに対し故意にぶつかったり、スティックを投げたりした場合、正味5分間の退場で、欠員のまま試合をする。

ラッフィング roughing
 殴り合いまたは乱暴な行為をした時の反則。

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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