化学辞典 第2版 「りん光」の解説
りん光
リンコウ
phosphorescence
古くはルミネセンスと同義に,また蛍光とも区別せずに用いてきたが,現在ではルミネセンスのうち,刺激源を取り除いても発光が残存するものをいう.残存時間で蛍光と区別することもあるが,その境界は不明である.りん光は温度や環境による強度と減衰時間の変化が大きく,減衰も指数関数的でないことが多い.有機蛍光体では,励起三重項状態から基底状態への遷移による発光をりん光といい,励起一重項状態からの遷移を蛍光とよんでいる.りん光は禁制遷移によるので,寿命は長く,かつ周囲の影響を受けやすい.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報