りょうけん(猟犬)座(読み)りょうけんざ

改訂新版 世界大百科事典 「りょうけん(猟犬)座」の意味・わかりやすい解説

りょうけん(猟犬)座 (りょうけんざ)
Canes Venatici

略号はCVn。北天のおおくま座とうしかい座にはさまれた天域の小星座。うしかいの巨人の左手に握った首紐の先に2匹の猛犬が熊にたちむかう姿で,古来おおくま座の一部であったのを17世紀にドイツ人J.ヘベリウスの手により独立星座として制定された。2匹の犬はアステリオン,カラの名がある。α星コル・カロリ(〈チャールズの心臓〉の意)はα1,α2と分かれる二重星で,α1星は光度5.6等,F0型星,α2星は光度2.9等,A0型特異星で,スペクトル中にケイ素,ユーロピウムなどの線が強く,周期5.46939日の変光星で,磁場の強さも同じ周期で変化する磁変星として有名。コル・カロリの名はイギリス王チャールズ2世が王政復古でロンドンへ帰ってきたとき(1660年5月29日),この星が異常に明るく輝いたという話による。β星カラは光度4.26等,G0型星である。球状星団M3(NGC5272)はうしかい座との境界近くにあり,3万2000光年の距離にある。また渦巻銀河M51(NGC5194)は渦状腕の先に伴銀河の付着した親子銀河で1800万光年の彼方にある。概略位置は赤経13h0m,赤緯+40°。午後8時の南中は6月上旬である。
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百科事典マイペディア 「りょうけん(猟犬)座」の意味・わかりやすい解説

りょうけん(猟犬)座【りょうけんざ】

6月上旬の夕方,天頂近くに見える小星座。北斗七星の南隣で,銀河・星団が多い。

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