ゆり
〘格助〙
体言または体言に準ずるものを受け、時間的、空間的
起点を示す。
※続日本紀‐天平元年(729)八月二四日・
宣命「皇朕高御座に坐し初めし
由利(ユリ)今年に至るまで」
[
語誌](1)
上代にほとんど同じ
用法をもっていた
格助詞「ゆ」「ゆり」「よ」「より」の四語のうち、「ゆり」は「続日本紀‐宣命」と「
万葉集」だけにあらわれ、
用例が最も少なく用法も最も狭い。
(2)
語源に関しては「後」の意味の
名詞「ゆり(後)」が転じたものであるとする説がある。この説によると、他の三語は、接尾語的な「り」が落ちたり、「ゆ」が「よ」に転じたりして成立したもので、そうだとすると、四語の
なかで「ゆり」の
勢力が弱いのは最も古いからであると考えられる。一方、「ゆ」「よ」がまずあって、それに接尾語的な「り」がついて、「ゆり」「より」が派生したと見る説もある。→
格助詞「より」の語誌
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「ゆり」の意味・読み・例文・類語
ゆり[格助]
[格助]《上代語》名詞・活用語の連体形に付く。動作・作用の起点を表す。…から。→ゆ →よ →より
「かしこきや命被り明日―や草が共(=カヤトトモニ)寝む妹なしにして」〈万・四三二一〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
普及版 字通
「ゆり」の読み・字形・画数・意味
【吏】ゆり
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
ゆり
?-? 江戸時代中期の女性。
越後(えちご)(新潟県)三島郡(さんとうぐん)村田村の農民伊兵衛の娘。同郡出雲崎尼瀬の大工作太夫と結婚。よく姑(しゅうとめ)につかえ,その孝行ぶりに藩主から米5俵,寛保(かんぽう)2年(1742)幕府から銀20枚をおくられる。林鳳谷(ほうこく)はゆりの伝記「越後孝婦伝」を出版した。
出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例
ゆり
福島の日本酒。酒名は、女性杜氏の名をとり命名。大吟醸酒、純米大吟醸酒、純米吟醸酒がある。原料米は山田錦、五百万石。仕込み水は磐梯山の伏流水。蔵元の「鶴乃江酒造」は寛政6年(1794)創業。所在地は会津若松市七日町。
出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報
ゆり
福島県、鶴乃江酒造株式会社の製造する日本酒。純米大吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒などがある。
出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報