ゆっくり(読み)ユックリ

精選版 日本国語大辞典 「ゆっくり」の意味・読み・例文・類語

ゆっくり

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
動作気持ゆとりがあるさまを表わす語。のんびりとくつろいでいるさま。ゆるゆる。
※玉塵抄(1563)五二「夜もさむさにゆっくりとえねぬぞ」
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉八六「御心配なく寛(ユック)りとお休みなすって入らっしゃいまし」
② 動作などが遅いさまを表わす語。急がないさま。ゆるゆる。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉三「早過ぎるなら、ゆっくり云ってやるが」
余裕が十分にあるさま、状態などにゆとりのあるさまを表わす語。
※中華若木詩抄(1520頃)下「西日も、雲にせばめられるほどにゆっくりともなく、痩たる如くなるぞ」
帰郷(1948)〈大仏次郎〉霧夜「座談会は六時からださうでまだ時間はゆっくりあります」
④ 頭の働きがにぶいさまを表わす語。
※父の詫び状(1978)〈向田邦子車中皆様「ちょっと頭のゆっくりした娘であったらしい」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ゆっくり」の意味・読み・例文・類語

ゆっくり

[副](スル)
動作が遅いさま。「ゆっくり(と)腰を上げる」「ゆっくり(と)話す」
時間的にゆとりがあるさま。「今から行けば電車ゆっくり間に合う」「一度ゆっくりお話ししたい」
気持ちにゆとりのあるさま。「風呂に入ってゆっくりする」
[用法]ゆっくり・のんびり――「ゆっくり(のんびり)した足どり」のように速くはないの意、「久しぶりにゆっくり(のんびり)する」のように気楽なさまの意などでは相通じて用いられる。◇「ゆっくり」は、「今晩ゆっくり考える」「ゆっくり間に合う」「ふたりでもゆっくり座れる椅子」など、急がず時間をかけて行う意や、時間的・空間的余裕がある意に多く用いられる。◇「のんびり」は、「のんびり育つ」「のんびり暮らす」「のんびりした風景」など、こせついたところがなく、のどかなようすである意に重点がある。◇類似の語に「のろのろ」「そろそろ」がある。「のろのろ」は「のろのろ(と)起き上がる」のように、たいそう遅いさまを表し、「そろそろ」は「腰を痛めてそろそろ(と)歩く」のように承知して遅く行動する意を表す。
[類語]そろそろゆるゆる遅遅遅いのろいのろくさいまだるいまだるっこいとろい緩慢緩徐遅緩スロースローモーのろのろぐずぐずもたもたのっそりだらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこのそりのっしのっしのしのしまぬるいまのろい鈍いぼやぼやどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠もさくさもさっともさもさ便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる

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