やんばる国立公園(読み)ヤンバルコクリツコウエン

デジタル大辞泉 「やんばる国立公園」の意味・読み・例文・類語

やんばる‐こくりつこうえん〔‐コクリツコウヱン〕【やんばる国立公園】

沖縄本島北部の山原やんばる地域中心とする国立公園。広大な亜熱帯照葉樹林には、ヤンバルクイナノグチゲラなどの希少生物が生息する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「やんばる国立公園」の意味・わかりやすい解説

やんばる国立公園
やんばるこくりつこうえん

沖縄県の沖縄本島北部の山原(やんばる)地域(国頭(くにがみ)郡国頭村、大宜味(おおぎみ)村、東(ひがし)村)を範囲とする国立公園。2016年(平成28)指定。一部は沖縄海岸国定公園域であったが、やんばる国立公園に編入された。陸域面積1万7311ヘクタール、海域面積3670ヘクタール。広大な亜熱帯照葉樹林には、ヤンバルクイナやノグチゲラ、オキナワイシカワガエルなどの多種多様な固有動植物や希少動植物が生息・生育している。沖縄本島最高峰の与那覇岳(よなはだけ)には雲霧林が発達し、オキナワセッコクなどのラン科植物、着生のシダ植物が生育する。また、辺戸(へど)岬における石灰岩の海食崖(がい)、辺戸岳一帯のカルスト地形、慶佐次(げさし)湾のヒルギ林(マングローブ林)、比地大滝(ひじおおたき)、茅打(かやうち)バンタ(石灰岩の断崖絶壁)、塩屋湾など多様な自然環境を有している。

[編集部 2019年5月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「やんばる国立公園」の意味・わかりやすい解説

やんばる国立公園
やんばるこくりつこうえん

沖縄県沖縄島北部,やんばる地域を占める自然公園。面積 136.22km2。2016年指定。指定の際,沖縄海岸国定公園の一部を編入した。石灰岩海食崖カルスト地形が自然景観をつくり,植生はスダジイ(→シイ)などの国内最大規模の亜熱帯照葉樹林のほか,雲霧林,渓流植物群落,マングローブなどが広がる。希少な固有種宝庫であり,国の特別天然記念物(→天然記念物)であるノグチゲラ,国の天然記念物のヤンバルクイナヤンバルテナガコガネのほか,オキナワイシカワガエル(→イシカワガエル),ケナガネズミオキナワトゲネズミなどが生息する。「やんばる」は「山原」と書く。

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