やわか(読み)ヤワカ

デジタル大辞泉 「やわか」の意味・読み・例文・類語

やわ‐か〔やは‐〕

[副]副詞「やわ」+係助詞「か」から》
反語の意を表す。どうして…しようか。
「いかなる新田殿とも宣へ、―こら候ふや」〈太平記・一七〉
《下に打消しの推量表現を伴って》よもや。まさか
「―さやうには仰せられ候ふまじ」〈謡・檀風

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「やわか」の意味・読み・例文・類語

やわ‐か やは‥

〘副〙 (副詞「やわ」に係助詞「か」の付いてできたもの)
① 反語表現に用いて、強い打消の気持を表わす語。どうして。何として。いかでか。やわや。→ようか
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「縦番匠が鑿にてうち候とも、やはか輙是ほどは通り候べき」
※太平記(14C後)一七「長刀に取付き敵の中へわり入る程ならば、何なる新田殿なり共やわか怺へ候や」
② (打消の推量表現と呼応して) その事態が決してありえないという気持を強めていう語。よもや。まさか。やわや。→ようか
謡曲烏帽子折(1480頃)「たとひ大勢ありといふとも、表に進む兵を、五十騎ばかり斬り伏せうずるならば、やはか退かぬことは候ふまじ」
[補注]疑問の係助詞「や」のついた「やはや」という形も中世に見られ、反語的な意味に使われている。→やわや

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