ももんじい（読み）モモンジイ

デジタル大辞泉

ももんじい

１ イノシシなどの獣類。また、その肉。ももんじ。
２ 「ももんがあ2」に同じ。
「ひるまでも、ゆうべのような―が出てきたり」〈魯文・西洋道中膝栗毛〉
３ みにくいもののことで、人をののしったり、自分を卑下したりしていう語。
「通だとか粋だとかいうことは、から―でわからないけれども」〈鏡花・湯島詣〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ももんじい

〘名〙

① ＝ももんがあ②

※歌舞伎・男伊達初買曾我（1753）一「だだをおこすと、とっつらまへて、ももんぢいに喰はっせるぞ」

② 女性の陰部。

※雑俳・末摘花（1776‐1801）四「振袖に似合ぬ所はももんじい」

③ ＝ももんじ

※滑稽本・浮世床（1813‐23）初「猪(モモンヂイ)を百目買てやる筈だが」

④ 「ももんじいや（━屋）」の略。

※柳橋新誌（1874）〈成島柳北〉初「炙鱣店（〈注〉うなぎや）は芬番鼻を襲ひ、屠豚舗（〈注〉モモンヂイ）は鮮血屨を汚す」

⑤ みにくいものの意で人をののしったり、自分を卑下したりしていう語。

※滑稽本・八笑人（1820‐49）四「ほんによ、あアわからねへ、ももんじいはねへ」

※湯島詣（1899）〈泉鏡花〉二七「通だとか粋だとかいふことはからももんぢいで分らないけれども」

出典　精選版 日本国語大辞典