精選版 日本国語大辞典 「めり」の意味・読み・例文・類語
めり
※竹取(9C末‐10C初)「かぐや姫の皮衣を見ていはくうるはしき皮なめり、わきてまことの皮ならんとも知らず」
※平家(13C前)七「此の世の中のあり様、さりともと存じ候ひつるに、いまはかうにこそ候めれ」
※古今(905‐914)秋下・二八三「龍田川紅葉乱れてながるめりわたらば錦中やたえなむ〈よみ人しらず〉」
※源氏(1001‐14頃)帚木「さらば今日こそは限りなめれとこの指(および)をかがめてまかでぬ」
[語誌](1)語源については、「見えあり」「見あり」または「め(目や見るなどと同根)あり」の変化したものとするなど諸説がある。同じく終止形に付く推量の助動詞「なり」が「ね(音)」「なく(鳴)」等に関連づけられて聴覚的であるのに対し、「めり」は視覚的であるといわれる。
(2)連用形「めり」の例は少なく、助動詞「き」「つ」「けり」に続くものだけで、和歌に使われた例もない。
(3)ラ変型の活用語に付く時は、「あめり・なめり」などと書かれていることが多い。これは、「あンめり・なンめり」などと、撥音便化した部分が表記されなかったものと考えられる。その原形は、おそらく連体形「ある」よりも終止形「あり」であろう。
(4)上代にはただ一つ「万葉‐三四五〇」の「をくさ男(を)とをぐさずけをと汐舟の並べて見ればをぐさ可知馬利(かちメリ)」という連用形に接続している例があるが、確例とはしがたい。
(5)中古には盛んに使われるが、和歌には用例が非常に少なく、また、漢文訓読文には見当たらない。日常の口頭語の世界で好まれたものと思われる。
(6)①の推量の用法と②の婉曲の用法とは明白には区別しにくい面がある。
(2)連用形「めり」の例は少なく、助動詞「き」「つ」「けり」に続くものだけで、和歌に使われた例もない。
(3)ラ変型の活用語に付く時は、「あめり・なめり」などと書かれていることが多い。これは、「あンめり・なンめり」などと、撥音便化した部分が表記されなかったものと考えられる。その原形は、おそらく連体形「ある」よりも終止形「あり」であろう。
(4)上代にはただ一つ「万葉‐三四五〇」の「をくさ男(を)とをぐさずけをと汐舟の並べて見ればをぐさ可知馬利(かちメリ)」という連用形に接続している例があるが、確例とはしがたい。
(5)中古には盛んに使われるが、和歌には用例が非常に少なく、また、漢文訓読文には見当たらない。日常の口頭語の世界で好まれたものと思われる。
(6)①の推量の用法と②の婉曲の用法とは明白には区別しにくい面がある。
めり
〘名〙 「めりやす①」の略。
※黄表紙・佐夜中山我身鐘(1776)下「おもしさふにめりをうとふは」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報