むっと

精選版 日本国語大辞典 「むっと」の意味・読み・例文・類語

むっ‐と

〘副〙
① 怒りや不機嫌さを感ずるさま、また、その表情をあらわにするさまを表わす語。
浮世草子・好色貝合(1687)上「我こそ分知たりと手おもきしょさだてはむっとして、あた胸のわるい重々也」
熱気悪臭などが急激に感じられるさまを表わす語。
俳諧続猿蓑(1698)夏「立寄ればむっとかぢやの暑かな〈沾圃〉」
③ 唇を、力を入れて閉じるさまを表わす語。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「お勢はお勢で可笑しく下唇を突出して、ムッと口を結んで、額で昇を疾視(にらみ)付けた」

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デジタル大辞泉 「むっと」の意味・読み・例文・類語

むっ‐と

[副](スル)
怒りに表情をこわばらせるさま。「悪口むっとする」「むっとした顔」
熱気・においなどが急に強く感じられるさま。また、それによって息苦しく感じるさま。「悪臭がむっと鼻をつく」「人いきれでむっとする満員電車」
[類語](1むくれるおこいか憤る八つ当たりいじけるひねくれるすねるひがむねじけるねじくれるふくれる気色けしきばむむかつくむかっとむかむかむしゃくしゃむらむらくしゃくしゃ不快不愉快不機嫌不興憮然仏頂面虫の居所が悪い風向きが悪い胸糞が悪い・けった糞が悪い・気を悪くするつむじを曲げるはらわたが煮え返る臍を曲げる・怒り付ける・怒り狂う腹立つ腹が立つ小腹が立つ向かっ腹が立つ・腹を立てる怒り心頭に発するしゃく小癪こしゃくしゃくに障る癇癪かんしゃく冠を曲げる堪忍袋の緒が切れる向かっぱらやけっぱら業腹業を煮やす逆上青筋を立てる憤懣ふんまんわなわな虫唾むしずが走る反吐へどが出る/(2蒸し暑いむんむん暑い暑苦しい暑さ焼け付く蒸すむしむしするいきれ人いきれ草いきれ猛暑暑気酷暑極暑激暑厳暑炎暑大暑暑熱炎熱酷熱熱波温気うんき向暑残暑焦熱極熱灼熱しゃくねつ熱気蒸れる火照ほて暑中炎天油照り日照り日盛りかんかん照りじっとりじとじとじめつくうだる湿潤多湿

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