精選版 日本国語大辞典 「むさくさ」の意味・読み・例文・類語
むさ‐くさ
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 毛などが多く乱れているさまを表わす語。むしゃくしゃ。
※俳諧・ゆめみ草(1656)夏「むさくさとはへ茂りけりぜうか髭〈二郎八〉」
② むさくるしいさまを表わす語。
③ 気持が沈んで晴れないさまを表わす語。
※俳諧・望一千句(1649)三「籠(かご)にかふもいまだちいさき雀にて いとうつくしき姫のむさくさ」
※浮世草子・世間長者形気(1754)五「むさくさとせし迷ひを晴れなん」
④ 秩序なくやたらにしゃべったり行なったりするさまを表わす語。むちゃくちゃに。
※天理本狂言・悪太郎(室町末‐近世初)「六七はいのふでから、そろそろ、むさくさ云也」
[2] 〘形動〙 無謀であるさま。でたらめであるさま。むちゃくちゃ。
※日葡辞書(1603‐04)「Musacusana(ムサクサナ) ウマノリニ ユキヤウタ。〈略〉 Musacusana(ムサクサナ) コトヲ ユウ、または、スル」
[3] 気持が晴れないこと。鬱憤。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「すぢりもぢれる心むつかし ほとほるか子はむさくさをいひ出て〈日如〉」
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