まつげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「まつげ」の意味・わかりやすい解説

まつげ
まつげ / 睫
睫毛

上下眼瞼(がんけん)の前縁に生えている10ミリ前後の硬毛をいう。上眼瞼には約100~150本、下眼瞼には70~80本が2~3列に配列して群生し、やや彎曲(わんきょく)して生えている。一般に上眼瞼のまつげのほうが長いが、まつげの長さや彎曲の程度、色調には個人差があり、また人種差もみられる。まつげは非常に知覚が鋭く、塵埃(じんあい)などが触れるとただちに上下の眼瞼を閉じ、眼球を保護する。まつげの正しい配列が乱れ、一部が角膜に触れるものを睫毛(しょうもう)乱生症(さかさまつげ)といい、角膜に障害を与えるので、睫毛電気分解術、眼瞼形成術などを行う。まつげの毛根部には小さな脂腺(しせん)があり、毛根部に開口しているが、この脂腺が細菌感染をおこし、化膿(かのう)したものが俗に「ものもらい」とよばれる外麦粒腫(しゅ)である。なお、まつげには立毛筋がみられない。

[嶋井和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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