まくなぎ

精選版 日本国語大辞典 「まくなぎ」の意味・読み・例文・類語

ま‐くなぎ

〘名〙 (古くは「まぐなき」か)
昆虫ぬかか(糠蚊)」の異名。《季・夏》
書紀(720)允恭二年二月「馬に乗れる者(ひと)、対へて曰はく、山を行きしときに、此をば摩愚那岐(マグナキ)と云ふ〉撥はむ」
② まばたきすること。目くばせすること。
源氏(1001‐14頃)明石「あいなく人知れぬ物思ひさめぬる心地して、まくなき作らせてさし置かせけり」

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デジタル大辞泉 「まくなぎ」の意味・読み・例文・類語

ま‐くなぎ

《古くは「まぐなき」とも》
小さな羽虫。ヌカカの類。また、ユスリカガガンボダマシの類。 夏》「―の阿鼻叫喚をふりかぶる/三鬼
まばたき。目くばせ。
「―つくらせて(=タダ目クバセダケデ)さし置かせけり」〈・明石〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のまくなぎの言及

【メマトイ(眼纏)】より

…成虫は牧場でウシ,ウマなどに飛来するほか,人体にも好んで集まり,汗や体液をなめる。古語の〈まくなぎ〉は,まばたきの意で,漢字では蠛蠓と書く。小型のユスリカやガガンボダマシ類などの双翅類昆虫が群飛する様をいい,これが飛散する際にまばたきすることからこのことばが生まれた。…

※「まくなぎ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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