まぎらわしい捻転症

六訂版 家庭医学大全科 「まぎらわしい捻転症」の解説

まぎらわしい捻転症
(男性生殖器の病気)

 精巣には精巣垂(せいそうすい)精巣上体には精巣上体垂(せいそうじょうたいすい)と呼ばれる2~3㎜ぐらいの突起上部についています。これは胎生期の遺物で機能はまったくなく、不必要な器官です。

 ところが、この部分がねじれて精索捻転(せいさくねんてん)症と同様な症状を示すことがあるのです。幼少時に多くみられます。

 陰嚢(いんのう)の一部に青くはれあがった精巣垂、精巣上体垂が()けて見えること(ブルードットサイン)があります。痛みは徐々におさまりますから、診断が確定すれば様子をみてかまわないのですが、多くは精索捻転症区別が困難で、手術して初めてわかることが多いようです。

 精巣垂や精巣上体垂が捻転していた場合は、必要のない器官ですから切除してしまいます。とくに後遺症が残ることはありません。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報