ぽっぽ

精選版 日本国語大辞典 「ぽっぽ」の意味・読み・例文・類語

ぽっぽ

[1] 〘副〙
① (「と」を伴って用いる) 煙や湯気匂いなどの立ちのぼるさま、火の燃えさかるさまを表わす語。
日葡辞書(1603‐04)「ホノヲガ poppoto(ポッポト) タチノボル」
② (「と」を伴ったり「ぽっぽする」の形で用いる) あつくなるさま、徐々に温かくなるさまを表わす語。
人情本・閑情末摘花(1839‐41)五「私は誠に酔て、顔が火火(ホッホ)とします。さぞ赤く成ましたらうネ」
③ 鳩の鳴く声を表わす語。ぽっぽっ。
※唱歌・鳩ぽっぽ(1901)〈東くめ〉「鳩ぽっぽ、ポッポポッポと飛んで来い」
汽車の走る音を表わす語。ぽっぽっ。
[2] 〘名〙
① (その鳴き声から) 鳩のことをいう幼児語。鳩ぽっぽ。
※童謡・おもちゃのマーチ(1923)〈海野厚〉「キューピもぽっぽもらったった」
② (その音から) 汽車のことをいう幼児語。汽車ぽっぽ
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉二「俺はポッポ(汽車)で下関へ行った」

ぽっぽ

〘名〙 (「ほっぼ」とも)
① ふところ。懐中。また、胸の内。
御伽草子・福富長者物語(室町末)「おなかをさすれば、あさましくほっぽのうちにほひ出て」
② ふところ具合。その場の経済状態。
歌舞伎曾我綉侠御所染御所五郎蔵)(1864)四幕「何処ぞへ上らうと思ふが、みんな懐中(ポッポ)はどうかね」
[補注]「ほところ」の「ほ」を重ねた「ほほ」が、「ほっぽ」「ぽっぽ」と変化したもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぽっぽ」の意味・読み・例文・類語

ぽっぽ[副・名]

[副](スル)
湯気・炎・煙などが盛んにたちのぼるさま。「ぽっぽと湯気が立つ」「汽車がしゅっしゅっぽっぽと走る」
からだが熱くなるさま。ほてるさま。「恥ずかしくて顔がぽっぽ(と)する」
ハトの鳴き声を表す語。
[名]
汽車をいう幼児語。汽車ぽっぽ。
ハトをいう幼児語。はとぽっぽ。
[類語]1ぼうぼうめらめら炎炎かっかかっとかんかんぼっとぱっとぱちぱち猛火烈火炎上大火火の海丸焼け全焼火だるま燃え盛る燃え広がる燃え上がる燃え立つ/(3かあかあがちゃがちゃかりかりきゃっきゃっくつくつぼうしけいけいけろけろけんけんこんこんこんこけこっこうかなかなごろにゃんじいじいじいちちよちちよちちろちゅうちゅうちゅうちりちりちんちろりんつくつくぼうしつづりさせてっぺんかけたか東天紅トッケイにしはつにゃあにゃあにゃんにゃんぴいちくぱあちくぴいぴいひとくひよひよぴよぴよぶっぽうそうほうほけきょほぞんかけたかほろほろほろほろろめえめえもうもうりんりんわんわんわん

ぽっぽ[名]

《「ほっぽ」とも》ふところ。また、ふところぐあい。「ぽっぽが暖かい」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android