ぼやぼや(読み)ボヤボヤ

精選版 日本国語大辞典 「ぼやぼや」の意味・読み・例文・類語

ぼや‐ぼや

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 炎や湯気などがさかんに立ちのぼるさまを表わす語。
※浄瑠璃・絵本太功記(1799)一〇日「ついぼやぼやと燃して」
② 気がきかないさま、漫然としているさまを表わす語。ぼんやり。
※浮世草子・傾城仕送大臣(1703)一「ぼやぼやと益もなき埋草にしたる事哉」
③ 髪、毛、草などがまとまりなく生えているさまを表わす語。
※地に頬つけて(1915)〈谷崎精二〉一「いつも顎髯(あごひげ)をぼやぼや生やしてゐて」
④ ぶつぶつと話すさまを表わす語。
咄本・軽口片頬笑(1770)四「何やらぼやぼやと云と」
⑤ =ぼんやり(一)①
浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉三二「彼女の茶色の瞳は、ぼやぼや白膜へにじみ出してゐるし」
[2] 小範囲の火災。ぼや。
俚言集覧(1797頃)「ぼやぼや 濁、火災の小なるを云」
[3] 〘形動〙 髪などがのびて乱れているさま。
社会百面相(1902)〈内田魯庵代議士「ぼやぼやの髯を捻りながら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぼやぼや」の意味・読み・例文・類語

ぼや‐ぼや

[副](スル)
注意が散漫でぼんやりしているさま。「ぼやぼや(と)しないでさっさと荷物を運べ」
髪などが、伸びて乱れているさま。ぼうぼう。
「―した頭髪を」〈花袋・一兵卒の銃殺
炎や湯気などが盛んにたちのぼるさま。
「つい―と燃やして」〈浄・太功記
[形動]2に同じ。
断髪がすっかり伸びて―になったつわり女房は」〈石川達三・蒼氓〉
アクセントヤボヤ、はボヤボヤ
[類語]ぼんやりぼうっとぽうっとぼうぽかんとぼけっとぼやっとぼさっとぼさぼさぼそっとのろまぬるいまのろい遅いスロー緩慢とろいのろくさいまだるいまだるっこいにぶ緩徐遅緩スローモー遅遅のろのろそろそろゆっくりもたもただらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこぐずぐずのそりのっそりのっしのっしのしのしどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android