日本大百科全書(ニッポニカ) 「ほ座」の意味・わかりやすい解説
ほ座
ほざ / 帆座
18世紀のフランスの天文学者N・L・ラカイユが、アルゴ座を4分割したものの一つ。らしんばん座の南、りゅうこつ座の東に接し、晩冬の宵の南の地平線上に姿を現す。沖縄方面ではその全景を見ることができる。とも座から南十字星に至る天の川の中にあり、輝星のにぎやかな星座だが、帆の形を連想するのはすこしむずかしい。なお、ほ座κ(カッパ)星とδ(デルタ)星、りゅうこつ座ε(イプシロン)星とι(イオタ)星の4個の星を結んでできる十字形を、南十字星によく似て見間違えやすいというので「にせ十字」とよんでいる。星座全体をガム星雲とよばれる超新星爆発の名残(なごり)の星雲が覆っているが、肉眼では見えず、写真でのみその姿を認めることができる。
[藤井 旭]
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