ぴたり

精選版 日本国語大辞典 「ぴたり」の意味・読み・例文・類語

ぴたり

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 物と物とがすきまなくくっつくさまを表わす語。
※俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)長抜書「うかりける人にひたりといだき付 まだまま母としらぬこころね」
婦系図(1907)〈泉鏡花〉前「両膝にぴたりと手を置き」
② 目標に合わせて、急に、きちんと止まるさま、また、止めるさまを表わす語。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「若引たら尻からぴたりト、まづなんでも遣って見ろト」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「足音寝室障子の前へ来てぴたりと已む」
③ きちんとした強い調子で、また、礼儀正しく折目をつけて、物事をするさまを表わす語。おじぎをするさま、すわるさまにいう場合が多い。
湯島詣(1899)〈泉鏡花〉三八「ぴたりとお辞儀をした」
④ 非常にうまく、きちんと事が運ぶさま、また、非常にうまく適合、的中するさまなどを表わす語。
※爛(1913)〈徳田秋声〉三五「事件の片がぴたりついて了った」
平手などでたたく音を表わす語。
※湯島詣(1899)〈泉鏡花〉四八「平手で横顔をぴたりと当てる」
⑥ 水が物にゆるくぶつかるさまを表わす語。
沈黙の塔(1910)〈森鴎外〉「汐は鈍く緩く、ぴたりぴたりと岸の石垣を洗って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぴたり」の意味・読み・例文・類語

ぴたり

[副]
すきまなく密着しているさま。「先頭ぴたり(と)つく」
少しの狂いもないさま。また、うまく適合するさま。「計算ぴたり(と)合う」「意見ぴたりと一致する」
急に、完全に止まるさま。また、止めるさま。「ぴたり(と)泣きやむ」「酒をぴたり(と)やめる」
[類語](1ぎゅうぎゅうぎゅうきゅうきゅうひしとぎゅっときゅっとがっちりかっちりしかとしっかりがっしり/(2ぴたっとどんぴしゃりかっきりきっかりきっちりちょっきり丁度ジャストかっちりしかときちんときちんきちんちゃんとぽっきりきちきちぴったりしゃんときりっと正確精確明確確実確か明白

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