(読み)ヒ

精選版 日本国語大辞典 「ひ」の意味・読み・例文・類語

〘名〙 塗物などのわれめ。ひび
※俳諧・鷹筑波(1638)二「十ぜんの位も日をばあらためて 燕口なる椀のかずかず〈利貞〉」

〘接頭〙 形容詞の上に付けて、いかにもそういう感じがするの意を添える。「ひよわい」「ひごすい」など。

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デジタル大辞泉 「ひ」の意味・読み・例文・類語

ひ[五十音]

五十音図ハ行の第2音。硬口蓋の無声摩擦子音[ç]と母音[i]とから成る音節。[çi]
平仮名「ひ」は「比」の草体から。片仮名「ヒ」は「比」のつくりから。
[補説](1) 「ひ」は古くは両唇の無声摩擦子音[Φ]と母音[i]とから成る音節[Φi]であり、さらに奈良時代以前には[pi]であったかともいわれる。室町時代末までは[Φi]であったが、江戸時代に入り、[çi]と発音されるようになった。(2) 「ひ」は、平安時代半ば以後、語中語尾では、一般に[wi]と発音され、のち、さらに[i]と発音されるようになった。これらは、歴史的仮名遣いでは「ひ」と書くが、現代仮名遣いでは、すべて「い」と書く。

ひ[接頭]

[接頭]形容詞に付いて、いかにもそういう感じがするという意を表す。「弱い」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ひ」の意味・わかりやすい解説

鉱脈のこと。日本近世から鉱山用語として使われ始め、露頭から鉱脈に沿って採掘するときひ追(ひおい)またはひ延(ひのべ)などと称した。現在でも鉱脈を追って掘進する坑道をひ押(ひおし)坑道とよび、広く使われている。

[房村信雄]

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