刈った稲を円錐(えんすい)形に野外に積み上げたもの。ニホが古い語で、ニオ、ミゴ、ニゴ、ニュウ、ニョウ、ノウ、ノオなど地方ごとにかなり呼び名は動揺して伝えられ、また刈り稲以外に藁(わら)や柴(しば)の積み上げにその名は流用されてもいる。新嘗(にいなめ)のニイ、供物のニエと関連する語といわれるが、語源は明らかでない。またこうした稲むら、稲積みをスズシ、スズミ、スズキ、コズミ、ホヅミ、タツボなどとよぶ地方もかなり広い。稲穂の掛け干し方式が一般化する以前は、稲穂を刈り田に積んで乾燥させるのが通例で、おそらく刈り穂の祭りがその場で行われたと推測される。しかし鎌(かま)刈り以前の「穂摘み」の場合の事情は不明である。
[竹内利美]
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
1/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
12/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新