なりとも(読み)ナリトモ

デジタル大辞泉 「なりとも」の意味・読み・例文・類語

なり‐と‐も

[連語]なりと

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「なりとも」の意味・読み・例文・類語

なり‐とも

〘副助〙 体言用言の連用形、助詞副詞を受ける。→語誌(1)。
① 仮にある事柄を示し、おおよその範囲を限定する。特定のものに限定し得ない時、および限定したくない時に用いる。でも。なりと。
史記抄(1477)六「力はいかなる山をなりとも抜べしと思て」
② (①の用法を二度あるいは三度重ね用いて) いずれかを選択する意を表わす。どちらにもこだわらないことが多い。…でも…でも。なりと。
※虎明本狂言・目近籠骨(室町末‐近世初)「ほねを十六本なりとも、十八本なりとも、ほねの数をこめたを、こめほねといふ」
[語誌](1)語源断定助動詞「なり」に接続助詞「とも」の付いたもの。「設日本国の外なる新羅高麗なりとも、雲のはて海のはてなりともをくれ奉るべからず」〔延慶本平家‐三末〕というような例から発して、中世末に断定の「なり」の勢力が衰えるとともに「なりとも」全体が一語の副助詞として働くようになったと思われる。その時期を明らかにすることはむずかしいが、①の挙例「史記抄」のような「を‐なりとも」は、すでに一語の助詞と認められる。
(2)この語は中世末・近世に多用されるが、近代には衰え、多くの場合「何なりとも」といった成句で使われる。

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