精選版 日本国語大辞典 「なだらか」の意味・読み・例文・類語
なだら‐か
① 物の表面などが角々しくないさま。なめらかなさま。平らかなさま。
※彌勒上生経賛平安初期点(850頃)「世尊の身の皮は〈略〉潤ひ滑(ナタラカニ)して」
※宇津保(970‐999頃)祭の使「なだらかなる石、かどある岩など」
② 平穏な状態であるさま。荒立たないさま。
③ ことばや筆跡などが滞りがなく落ち着いているさま。流暢なさま。
※源氏(1001‐14頃)橋姫「わかき人々の、なだらかに、物聞こゆべきもなく」
④ 心や性格などが、穏やかで、円満なさま。平静で、落ち着いているさま。おとなしいさま。
※大和(947‐957頃)二条家本附載「女は大人になれば、こよなくなだらかになるなれど」
⑤ 物事の程度が程よいさま。
※源氏(1001‐14頃)末摘花「いと深からずとも、なだらかなる程にあひしらはむ人もがな」
※武教全書(1656)三「掘様と云ふは、内の方を切立て塀の方をなだらかに掘る也」
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