どちりな・きりしたん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「どちりな・きりしたん」の意味・わかりやすい解説

どちりな・きりしたん

安土桃山時代キリスト教教理書。『どちりいな・きりしたん』『公教要理』ともいう。書名ポルトガル語で「キリスト教の教義」の意。当時の信徒になるための必読書であり,キリシタン版刊行書中最も広く読まれた。文禄1 (1592) 年刊天草版と慶長5 (1600) 年刊長崎版とのローマ字本2部 (重文) ,刊年未詳版と慶長5年刊長崎版との国字本2部,計4種が現存。ほぼ 11ヵ条から成り,初心の信者のために,師弟問答に擬して教理の概略を平易に説く。文章語で書かれてはいるが,卑近な語を用いた俗文であるため,国語学の資料でもある。

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デジタル大辞泉プラス 「どちりな・きりしたん」の解説

どちりな・きりしたん

キリシタン版のひとつイエズス会による近世初期のカトリック教理本、“Doctrina Christã”の日本語版。1600年に長崎で発行。ローマ字版もある。

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