とろり(読み)トロリ

デジタル大辞泉 「とろり」の意味・読み・例文・類語

とろり

[副]
ものが溶けてやわらかくなるさま。また、液体にやや粘り気があって、滑らかなさま。「舌の上でとろりと溶ける」「汁がとろりとなるまで煮つめる」
眠けをもよおすさま。少しまどろむさま。また、うっとりとするさま。「暖かくてついとろりとする」「酔って目をとろりとさせる」
[類語](2ぐうぐうぐっすり昏昏ぐうすかすうすうすやすやうつらうつらうとうとこっくりこっくりうつうつこくりこっくりとろとろとろん夢うつつ夢心地

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「とろり」の意味・読み・例文・類語

とろり

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① とろけてやわらかくなるさま、油のような濃い液体などが、たまっているさま、または、たれおちるさま、などを表わす語。
日葡辞書(1603‐04)「Tororito(トロリト) ナル〈訳〉溶ける、または、溶けるように柔らかになる様」
② 肌(はだ)ざわりがやわらかく、うっとりするような快い感じを表わす語。また、空気などが濃厚に淀んでいるような感じを表わす語。
※三体詩幻雲抄(1527)「おりしも笛をとろりと吹ほどに」
③ ねむけがさしたり、まどろんだりするさま、また、酒に酔いなどして快くうっとりとしたさまなどを表わす語。ねむそうにぼんやりとした目つきをいうことが多い。
※杜詩続翠抄(1439頃)七「さらば吾とろり酔可答之」
滑稽本・八笑人(1820‐49)初「何でも桜色で目のふちがすこしトロリと来たくらゐの所が千両だ」
[2] 〘名〙 天候の薄曇っているときをいう。〔運歩色葉(1548)〕

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