とか

精選版 日本国語大辞典 「とか」の意味・読み・例文・類語

と‐か

[一] (格助詞「と」に係助詞「か」の付いたもの) 不確実な想像または伝聞を表わす。文中に用いて、文末語句と呼応する場合と、文末に用いられる場合とがある。…というのであろうか。…というわけなのか。
万葉(8C後)五・八七四「海原の沖行く船を帰れ等加(トカ)領巾(ひれ)振らしけむ松浦作用(まつらさよひめ)
※土左(935頃)承平五年二月九日「もろこしもここも、思ふことにたへぬ時のわざとか」
[二] (格助詞「と」に副助詞「か」の付いたもの) はっきりしない事柄を指示したり、ある事柄を代表して示したり、いくつかの事柄を例として示したりする。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)一〇「霊とか厲とかせよとあるほどに」
※野菊の墓(1906)〈伊藤左千夫〉「台所へ出て見ると外の者は皆又山へ往ったとかで」
[補注](二)の用法の中、いくつかの事柄を例として示す用法を、橋本文法では並立助詞とする。

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デジタル大辞泉 「とか」の意味・読み・例文・類語

と‐か

[連語]
《格助詞「と」+副助詞「か」》はっきりしない事柄を指示する意を表す。「家族が病気だとかで困っているらしい」
[補説]中世以前の「とか」は、「か」を係助詞として扱うのが普通
《並立助詞「と」+副助詞「か」》
事物や動作・作用を例示的に並列・列挙する意を表す。「漱石とか鴎外とかといった文人」「見るとか見ないとか騒いでいる」→とかや
[補説]「かゆいとか痛いなんて言っていられない」のように、末尾事象(この文では「痛い」)に「とか」をつけない用い方もある。
断定を避け、あいまいにするために語の後に付ける。「学校とかから帰る」
[補説]1990年代前半から若者の間で使われ、すぐに大人にも広まった。多用する話し方を「とか弁」ともいう。→ほう
[類語]2などでもなんかなんてなんぞなぞ

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普及版 字通 「とか」の読み・字形・画数・意味

家】とか

業の家。〔南史、后妃上、宋後廃帝の陳太妃伝〕康の家の女なり。~宮に入り、~二年~以てに賜ふ。始めりしも、一年歇(すいけつ)し、以て李兒に賜ふ。(つ)いでして、廢を生む。

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】とか

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