つと

精選版 日本国語大辞典 「つと」の意味・読み・例文・類語

つ‐と

〘副〙
① 動かないで、ある状態をずっと続けるさまを表わす語。じっと。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「誰と聞えし人の子ぞ。もし心ならで参り来ずとも、つと思ひとりてなむあるべき」
② 勢いよくすばやいさまを表わす語。さっと。ふと。急に。つっと。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「むつかり給ふを、宮きこしめして、女ぎみをつとかきよせて」
③ すきまなく密着したさまを表わす語。ぴたっと。ぴったりと。ひたと。
源氏(1001‐14頃)桐壺「御胸つとふたがりて、つゆまどろまれず、明かしかねさせたまふ」

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デジタル大辞泉 「つと」の意味・読み・例文・類語

つ‐と

[副]
ある動作をすばやく、または、いきなりするさま。さっと。急に。不意に。「つと立ち止まる」
瀬川は―席を立って降りると」〈荷風腕くらべ
動かないである状態を続けるさま。じっと。
面影に―添ひておぼさるるにも」〈・桐壺〉
いちだんと力をこめるさま。ぐっと。
「例はことにし固めなどもせぬを―鎖して人の音もせず」〈・少女〉
[類語]がばとがばっとむっくとむっくりむくりすっくしゃんとしゃっきりついとすいとすっとさっとぱっとふとふっと不意にわかふいとひょっこり打ち付けぶっつけ出し抜け突然唐突短兵急急遽きゅうきょ忽然こつぜん俄然突如いきなりついついついひょっとひょいはた思わず思わず知らず思いがけずはしなくはしなくも図らず図らずもやにわに時ならずたちま卒然突発的発作的反射的やぶから棒青天の霹靂へきれき寝耳に水はた身軽い身軽軽軽かるがる軽快かろやか簡捷かんしょうはしこいすばしこい素早い手早い敏速敏活迅速敏捷びんしょう手ばしこい手早速やか速い足早早足小走り機敏一瀉いっしゃ千里急ピッチ矢の如しはかばかしい目にも留まらぬひらりひょいひょいぴょんぴょんぴょんてきぱきしゃきしゃききびきびずんずんクイックスピーディーハイペースちゃちゃとちゃちゃっとさっさとっととつっとすたすた

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