ちゃぐちゃぐ馬こ(読み)チャグチャグウマコ

デジタル大辞泉 「ちゃぐちゃぐ馬こ」の意味・読み・例文・類語

ちゃぐちゃぐ‐うまこ【ちゃぐちゃぐ馬こ】

《「ちゃぐちゃぐ」は馬の鈴の音から》岩手県滝沢市にある鬼越蒼前おにこしそうぜん神社で行われる祭り。色鮮やかに飾り立て大小の鈴を付けた農耕馬を神前に集め、日頃の労をねぎらい、無事息災を祈る。参拝後、盛岡市まで練り歩く。江戸時代から伝わり、昭和53年(1978)国の選択無形民俗文化財指定。かつては5月5日であったが、現在は6月第2土曜日に行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ちゃぐちゃぐ馬こ」の意味・わかりやすい解説

ちゃぐちゃぐ馬こ
ちゃぐちゃぐうまっこ

岩手県滝沢市の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社(旧駒形(こまがた)神社)と付近の農村や盛岡市内の行事。6月第二土曜日に行われる。当初は旧暦5月5日に行われていたが、1958年(昭和33)より新暦6月15日に、2001年(平成13)より現在の日程に変更された。この地方は南部駒の産地で、馬の守護神として蒼前様を祀(まつ)っており、田植に先だって各家で飼っていた馬を引いて蒼前様に参った。そのとき馬に色とりどりの装束や飾り房をつけ、半纏(はんてん)姿の男の子や振袖(ふりそで)姿の女の子を馬に乗せ、紅白手綱を引き、鳴輪(なりわ)や小鈴をチャグチャグ鳴らしながら歩いたのでこの名がある。神社では絵馬を献じて愛馬の無事を祈り、帰路は盛岡市内を練り歩き、盛岡八幡宮(もりおかはちまんぐう)に詣(もう)でる。

[井之口章次]


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