だも(読み)ダモ

デジタル大辞泉 「だも」の意味・読み・例文・類語

だも[副助]

[副助]副助詞「だに」+係助詞「も」の音変化》…でさえも。…ですらも。おもに漢文訓読系統の文章にみられる。
科学法則を、想像―及ばざる昔に引張れば」〈漱石・思ひ出す事など〉
「男は功に―報ぜられず」〈平家・六〉

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精選版 日本国語大辞典 「だも」の意味・読み・例文・類語

だ‐も

(副助詞「だに」に係助詞「も」のついた「だにも」がつづまったもの。→補注) 接続・意味ともに「だにも」とほぼ同じ。古くは主として漢文訓読系の資料に見られる。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)一〇「夢中にだも亦暫くも廃つること无し」
※思ひ出す事など(1910‐11)〈夏目漱石〉七「科学の法則を、想像だも及ばざる昔に引張れば」
[補注]「だにも」の音便化した「だんも」の撥音便が表記されず、「だも」と書かれたために、やがて発音も文字にひかれて「ダモ」となった、といわれる。但し一説には「ここだ」「いくだ」などに見られる接尾語的要素「だ」に直接「も」が添加したものか、という。

だも

〘名〙 (「たも」とも)
植物たぶのき(椨)」の異名。〔俳諧・毛吹草(1638)〕
② 植物「やぶにっけい(藪肉桂)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
③ 植物「とろろあおい(黄蜀葵)」の異名。

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