たらこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「たらこ」の意味・わかりやすい解説

たらこ
たらこ / 鱈子

マダラスケトウダラ卵巣であるが、一般にはスケトウダラ卵巣の塩蔵したものをいう。赤く着色したものは紅葉子(もみじこ)ともいう。魚体から取り出した卵巣を希薄食塩水で洗い、粘液汚物を除き、冬期は12%、夏期は15%程度の食塩と食用紅を加える。6~8時間塩蔵し、この間、数回手返しを行い、食塩と食用紅を浸透させたのち水切りする。消費者の希望で食用紅を加えないものもある。未熟卵や透明となった過熟卵の味は落ち、不透明卵がぎっしり詰まった卵巣からつくったものがうまい。卵膜の一部の青いものがあるが、これは胆汁色素が付着したものである。焼いたり、そのままだいこんおろしと和(あ)えて食べたり、おにぎりに入れるとうまい。福岡ではスケトウダラの卵巣を塩蔵する際、トウガラシを加えたものを「めんたい子」とよんでいるが、明太(めんたい)とはもともと韓国語でスケトウダラのことである。そこで、トウガラシ入りのたらこをめんたい子とよぶようになった。

[金田尚志]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たらこ」の意味・わかりやすい解説

たらこ

鱈子とも書く。明太子 (めんたいこ) あるいは紅葉子 (もみじこ) とも呼ばれる。すけとうだらの腹子を塩蔵したもの。真だらの腹子も用いられる。腹子の皮膜を破らないように丁寧に腹から取出し,洗浄後よく水を切って生原料の重さの 15%前後の食塩をふり,1昼夜ぐらい塩蔵する。この間,食紅発色剤を加えることもある。散塩法以外に食塩水に浸漬する方法もある。すけとうだらの腹子が最上品とされ,腹子の重さによって等級がつけられている。 45g以上のものを1等品,30g以下のものを3等品という。副食,酒の肴 (さかな) として賞味される。

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