その他(めまい)

内科学 第10版 「その他(めまい)」の解説

その他(めまい)

(7)その他
 心因性めまいではグルグル回ると訴えるが,時計回りか反時計回りかを聞くと実は回転性ではなく,浮遊感・動揺感・頭がふわーとする感じなどである.背景に不安・緊張がある過換気症候群では症状は,動悸,空気飢餓感,手足のしびれ感,意識朦朧状態など多様であるが,めまいを訴えることが多い(図15-3-10).一時的には抗不安薬,β遮断薬が有効であるが,心理療法が不可欠である.うつ病では,うつ気分が表に出ず,めまい,頭重・頭痛を訴える仮面うつ病がある.うつ病の特徴である午前中に症状が強く,抗めまい薬は無効で,抗うつ薬が奏効する. 婦人科,眼科,歯科などの疾患に伴うものは表15-3-5に示した病態念頭におき,病歴,症候を把握すれば診断しうる.[山本纊子]
■文献
Brandt T: Vertigo―Its Multisensory Syndrome, Springer-Verlag, London, 1991.
Epley JM: The canalith repositioning procedure: Fortreatment of benign paroxysmal positional vertigo. Otplaryngol Head Neck Surg, 107: 399-404,1992.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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