そっくり

精選版 日本国語大辞典 「そっくり」の意味・読み・例文・類語

そっくり

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 全体をそのままの状態にしておくさまを表わす語。そのまま。
洒落本・売花新駅(1777)閨中きぬぎぬ「ヲット馬ぐそのなへところへそっくりおいてくんねへ」
※雁(1911‐13)〈森鴎外〉一一「秘密を、ここまで持って来た儘蓋を開けずに、そっくり持って帰らうと」
② あます所のないさまを表わす語。のこらず。すべて。みな
※雑俳・柳筥(1783‐86)二「そっくりとぢぢいになったは浦嶋」
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉始めて亜米利加に渡る「賄(まかなひ)も何もそっくり為て呉れる筈であるが」
③ きわめてよく似ているさまを表わす語。まるで。さながら。
※俳諧・八番日記‐文政二年(1819)一〇月「そっくりと大津の鬼や寒念仏
[2] 〘形動〙 きわめてよく似ているさま。
※俳諧・文政句帖‐七年(1824)一二月「なりふりも親そっくりの子猫哉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「そっくり」の意味・読み・例文・類語

そっくり

[形動]非常によく似ているさま。「父親そっくりな顔」
[副]欠けることのないさま。そのまま。残らず。全部。「昔の建物そっくり残る」
[類語](瓜二つ生き写し丸写しそのまま酷似相似似通う似る似寄る似寄り似付く類する類似近似肖似疑似空似もどき紛い紛らわしい似非カーボンコピー/(すべてみな何もかもことごとくなべて悉皆しっかい残らず余すところなく漏れなく逐一ちくいちすっかり洗いざら一から十までくまなく根こそぎ虱潰しあまねく満遍ない万事一切一切合財丸ごとごっそりすっぽりいちいち細大漏らさず何でもかんでも根掘り葉掘り

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