そしり‐はしり
〘名〙
① (同義・同脚韻の語を重ねて強調したものという)
物事の
一部分。かたはし。
※
浄瑠璃・心中刃は氷の
朔日(1709)上「又してはおのれらがそ
しりはしりに、兄でしのなかごとをいいおるか」
※評判記・役者座振舞(1713)
大坂「
後世をねがひ、毎日
談義参りして
経説の有がたきそしり端
(ハ)しりを、もって来て」
② (「そしり」を「謗
(そし)る」意に解して)
悪口。
陰口。
※
浮世草子・
世間妾形気(1767)二「口々のそしりはしりがはしり
もとへ聞へて〈略〉あまり成るかげ口、人も聞ぞかし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「そしりはしり」の意味・読み・例文・類語
そしり‐はしり
《「はしり」は音の似た語を繰り返して意味を強めたものか。一説に「素知り端知り」とも》
1 物事の一部分。
㋐ちょっとした会話。
「おのれ等が―に、兄弟子の中言を言ひをるか」〈浄・氷の朔日〉
㋑少しばかり。
「―は、及ばずながら存じてをりまする」〈伎・黄金鱐〉
2 《「そしり」を「謗り」と解釈したところから》悪口。
「同じ女中達と寄りこぞって内の事を―さ」〈滑・浮世風呂・三〉
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