そこそこ

精選版 日本国語大辞典 「そこそこ」の意味・読み・例文・類語

そこ‐そこ

[1] 〘副〙 (「に」を伴って用いることもある)
① 時と場合に応じて適当に事を運ぶさま、また、心がせいて先を急ぐさま、急いで簡略にするさま、いいかげんにするさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)一一「番匠の家をつくるに、よい材木をそろえて、そこそこに似合う木を用ぞ」
浮世草子・好色一代男(1682)七「召替の浴衣、腰より下の一重もけふの汗に迚(とて)そこそこにとき捨て、行水の御裸身」
② 十分ではないがある程度には達しているさまを表わす語。いちおう。ひととおり。
仮名草子・可笑記(1642)二「君子といへるよき人は〈略〉人の諸道具をみするには、いかにも大事にとりあつかひ、そこそこに気を付け」
[2] 〘接尾〙 数を表わす語などに付いて、ほとんどそれぐらいの意を表わす語。…に足りるか足りないほど。…を余り出ないほど。
※或る女(1919)〈有島武郎〉前「船に来てから二時間そこそこで機嫌よく帰って行くことになった」
[補注]「そこ(其処)」という代名詞から転じた語で、だいたいの当たりをつける意から、いいかげん、ぞんざいの意を生じた。

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デジタル大辞泉 「そこそこ」の意味・読み・例文・類語

そこ‐そこ

[副]
多く「…もそこそこに」の形で)ある事を十分しおえないで先を急ぐさま。「食事そこそこに出かける」
十分ではないが一応のレベルにあるさま。「そこそこ評判を得る」
[接尾]数量を表す語に付いて、それに達するか、達しないかの程度である意を表す。「四〇そこそこの男」
[類語]1適当適度適宜程程ほどほどい加減/(2増し次善まあまあまずまずセカンドベストベター及第無難副次的二次的二義的ほどほど捨てたものではない満更まんざらでもないまあよっぽどかなりなかなかわりあいわりかたわりかし割に比較的まずまずどうにかこうにかどうかこうかどうやらこうやら曲がりなりにもかすかすどうやらなんとかかんとかなんとかようやっとどうにかかろうじて辛くもそれなりやっとやっとこさようやくあやうく危なくまだしもまだえんやらやっとやっとのことでようようすんでのところ間一髪かつがつすんでのことすんでにあわや九死に一生を得るすれすれいまだしいま不徹底不十分及ばずながら不全不完全どうなりこうなり一応急場しのぎ当座しのぎ一時しのぎその場しのぎ

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