デジタル大辞泉
「ずんと」の意味・読み・例文・類語
ずん‐と
[副]
1 他に比べて、量・質・程度などの違いがはなはだしいさま。ずっと。ぐんと。「去年よりもずんと背が伸びた」
「それよりも―好いは」〈一葉・たけくらべ〉
2 動作を勢いよくすばやくするさま。
「こう引立って居て―下すから」〈円朝・真景累ヶ淵〉
3 下にくる語の意味を強調する気持ちを表す。ずんど。
㋐すっかり。まったく。
「後来の迷惑―承知」〈紅葉・不言不語〉
㋑(下に打消しの語を伴って)ちっとも。全然。
「その鉄道なるものが、僕の頭には―はっきりしなかったのである」〈蘆花・思出の記〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ずん‐と
〘副〙 (「づんと」とも表記した)
① 動作が突然に勢いよく行なわれるさま、また、たやすく行なわれるさまなどを表わす語。ずいと。
※
太平記(14C後)一七「
寄手の兵四五十人、
犬居にどうと打居
(す)ゑられ、
中天にづんと打挙げられ、沙
(すな)の上に倒れ伏す」
※幸若・いるか(室町末‐近世初)「くびもなきむくろが、ゐたる所をつむとたって」
② 程度の隔たってはなはだしいさまを表わす語。ずっと。はるかに。ぬきんでて。
※たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉一一「夫れよりも、夫れよりもずんと好いは、お前の隣に据ってお出なさるのなれど」
③ 全く。まるで。また、下に打消の語を伴って、「全然、とんと」の意にも用いる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報