すっぽり

精選版 日本国語大辞典 「すっぽり」の意味・読み・例文・類語

すっぽり

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 物が、ぐあいよく、はまったり、かぶさったり、はずれたり、抜けたりなどするさまを表わす語。
浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上「踏みつくれば底もかがみもすっぽりとぬけたるを」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「手ぬぐひをすっぽり巻いて、鉢まきのやうにひたひでむすび」
② 特に、物を頭からすっかりかぶるさまを表わす語。
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「全然(スッポリ)頭巾を被って」
[2] 〘名〙 (すっぽりと抜けている意から) まぬけ。あほう。とんま。ばか。人をののしっていう語。
※浄瑠璃・天鼓(1701頃)三「やい宇治太郎のすっぽり、なんと此あほうが智略を見たか」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「すっぽり」の意味・読み・例文・類語

すっぽり

[副]
全体を余すところなくおおうさま。「頭からすっぽり(と)布団をかぶる」「雪にすっぽり(と)おおわれる」
物がうまくはまりこむさま。また、はまっている物が抜けてしまうさま。「指がビール瓶の口にすっぽり(と)はまる」「人形の首がすっぽり(と)とれてしまう」
[名]愚か者。まぬけ。
「やい宇治太郎の―め、なんと此のあはうが智略を見たか」〈浄・天鼓〉
[類語]すぽっと残らず洗いざらいくまなく根こそぎ虱潰しすべて何もかもことごとくなべて悉皆しっかい余すところなく漏れなく逐一ちくいちすっかりそっくり一から十まであまねく満遍ない万事一切一切合財丸ごとごっそりいちいち細大漏らさず何でもかんでも根掘り葉掘りとっぷりどっぷり十分十二分

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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