精選版 日本国語大辞典 「すっかり」の意味・読み・例文・類語
すっかり
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 思いきってするさま、滞りのないさまなどを表わす語。すっぱり。さっぱり。きっぱり。すっきり。
※洒落本・吉原源氏六十帖評判(1737)「此君は道中のよそほひあまりすっかりとし給ふゆへ、すげなきよふにみゆるとは」
③ 身長が高く、かっこうのいいさまを表わす語。すらり。
④ 姿態、服装など、外見が粋で見ばえのするさまを表わす語。きりり。
※随筆・独寝(1724頃)上「妾といふ字は、見てもなでがたらしくすっかりと見へて」
※人情本・春色恵の花(1836)二「すっかりとめかして、おいらに見せよふと思ってサ」
⑤ すらりと体をかわすさまを表わす語。
⑥ 残るところなくすべてにわたるさまを表わす語。ことごとく。まったく。
※歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)三立「刀を鞘ながら抜き、振り廻して『すっかりと、払ってくれろ払ってくれろ』」
[2] 〘名〙
① すべて。全部。
※桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉一四「『私なぞには解りませんけど好きでございますわ。』『その布の色なぞが?』『ええ。━布もでございますが、画のすっかりが』」
② まったくない状態。
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