すけ

精選版 日本国語大辞典 「すけ」の意味・読み・例文・類語

すけ

〘接助〙 活用語連体形を受け、原因を示す。…から。
洒落本・筬の千言(1812頃)上「けふ天気アゑすすけ名月踊出そとてゑかした」

すけ

〘名〙 鮭(さけ)や鱒(ます)の大きいものをいう。〔常陸風土記(717‐724頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「すけ」の意味・わかりやすい解説

すけ

〈助〉の字をあてる。他人に対して一方的に無償で労働力を提供することであるが,とくに主従関係にある者の間で従属している者が主家に対して提供する労働をいう。農地改革前の主として東北地方の農村にしばしばみられた。スケという言葉で主家への労働提供を表すのは岩手県の一部であるが,同様の労働をヤトイ(雇い),テツダイ(手伝い),テマヅトメ(手間勤め),オヤク(お役)などともいう。スケの内容は,岩手県二戸郡のある村の例では,田植,田の草刈り,稲刈りなど,毎年ほぼ一定の日数に決まっている農作業と薪伐り,すす掃き,屋根の草取りなど,必要に応じて働きに出る家事の諸作業であった。スケは一般的には主家から宅地田畑を貸与されている従属的小作農小作料の一部として労働力を主家に出すものであるが,必ずしもすべてが小作料として理解できるわけではない。むしろ本家分家に対する庇護と分家の本家に対する奉仕という日常的な相互給付関係のなかでの労働力提供という性格が強いといえる。分家が労働力を提供するのに対し,本家は労力以外の形で反対給付をしたのであり,古くはこれが〈ゆい〉であったとも考えられる。
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