デジタル大辞泉
「じりじり」の意味・読み・例文・類語
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じり‐じり
[1] 〘副〙 (「ぢりぢり」とも表記する。「と」を伴って用いることもある)
① ゆっくりと少しずつ、しかも確実にせまるさまを表わす語。じわじわ。また、緊張した状態で徐々に引き退くさまにもいう。
※虎明本狂言・
膏薬煉(室町末‐近世初)「かの
大石がかうやくにすはれ、ぢりぢりとよるほどに」
※
千鳥(1906)〈
鈴木三重吉〉「自分を見て笑ひながら、ぢりぢりとあとしざりをして」
② ものが焼ける音、特に、肉や魚の
脂身が火に焼けてはねる音を表わす語。
※漢書列伝景徐抄(1477‐1515)張耳陳余伝第二「火でじりじり
とこがいてやいつなんどするぞ」
※土(1910)〈
長塚節〉二「鰯の油がぢりぢりと垂れて青い焔が立った」
③ 太陽がやけつくように強く照りつけるさま、また、身体の一部が焼き焦がされるようにひどく熱く感じられるさまを表わす語。
※当世少年気質(1892)〈
巖谷小波〉七「まだ日の色のヂリヂリと襟に照り付て」
④ 心が次第にいらだってくるさまを表わす語。
※
浮世草子・
傾城禁短気(1711)四「早う連ていんで下されと、じりじりまふて気のどくがる」
⑤
ぜんまいを巻く音やベルなど機械的な音を表わす語。
※続
春夏秋冬(1906‐07)〈河東碧梧桐選〉春「じりじりと十二時打つや虻の声〈四子〉」
※
童謡・
正午(1920)〈
三木露風〉「わたしが、見たのは、昼の夢。蝉がじりじり、ないてゐる」
⑦ 汗や涙がしぼり出すように出てくるさまを表わす語。
※
四河入海(17C前)一一「我がわかかっし時、進士に試られし事を思い出せば、しりしりあせが、今もたるぞ」
[2] 〘形動〙 ゆっくりと少しずつ進行するさま。
※今年竹(1919‐27)〈
里見弴〉
三人上戸「ジリジリに知れる
ぶんにゃア、
本家だって、何も別に困りゃアしまい」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報