しゃぶしゃぶ(読み)シャブシャブ

精選版 日本国語大辞典 「しゃぶしゃぶ」の意味・読み・例文・類語

しゃぶ‐しゃぶ

[1] 〘副〙 軽く水をかきまわしたり、すすいだりするときの音や様子を表わす語。
針女(1971)〈有吉佐和子〉一六「これは化学繊維だからシャブシャブ洗濯がきくのよ」
[2] 〘名〙 鍋料理の一つ。薄切りにした肉を、熱湯の中で色が変わるぐらいにさっと煮て、たれ汁につけて食べる料理中国料理の涮羊肉(シュワンヤンロウ)などから出た料理といわれ、肉を煮る際にしゃぶしゃぶと泳がすところからこの名がある。
※初稿・エロ事師たち(1963)〈野坂昭如〉一「末広のしゃぶしゃぶ拾いながら重役がいう」

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デジタル大辞泉 「しゃぶしゃぶ」の意味・読み・例文・類語

しゃぶ‐しゃぶ

薄切りにした牛肉を、鍋の熱湯にさっとくぐらせて、たれをつけて食べる料理。
[類語]鍋物寄せ鍋ちりちゃんこ鍋水炊きおでん石狩鍋しょっつる鍋柳川鍋チゲすき焼き牛鍋ジンギスカン鍋ジンギスカン料理

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改訂新版 世界大百科事典 「しゃぶしゃぶ」の意味・わかりやすい解説

しゃぶしゃぶ

中国名は涮羊肉(シユワンヤンロウ)。〈涮〉にはすすぐ,ざっと洗うの意があり,肉を沸騰したスープの中にさっと通し,好みの調味料で食べる料理。ペキンダックとともに北京の代表的な料理で,中央に炭火を入れる煙筒のある独特のなべ〈火鍋子(フオクオズ)〉に,シイタケや干しエビからとったスープを煮たたせ,うすく切った羯羊(かつよう)(去勢した雄ヒツジ)の霜降肉や赤身の肉を入れる。肉のあとは春雨,めん,ギョーザ野菜などを煮て食べる。涮羊肉の祖形とみられる〈生爨羊(せいさんよう)〉という料理が,1501年(明,弘治13)の《宋氏尊生》にある。また,17世紀の清朝の宮廷料理には〈涮肉火鍋(シヨワロウフオクオ)〉の名で入っているが,一般に普及したのは40~50年前からである。
執筆者: 涮羊肉の日本版ともいうべきなべ料理の一種は,第2次大戦後関西で始まったものと考えられる。しゃぶしゃぶの名は,湯の中でふり洗いして熱を通すところからつけられたという。牛肉の薄切りなどを熱湯に通し,ゴマだれやポンスしょうゆで食べる。ネギ,ミツバ,シュンギク,シイタケ,春雨などをとり合わせ,アサツキやさらしネギを薬味として添える。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「しゃぶしゃぶ」の意味・わかりやすい解説

しゃぶしゃぶ

鍋(なべ)料理の一つ。深い鍋に水を張り、火にかけて、その中に薄切りの牛肉または豚肉を入れ、さっと火を通して、たれをつけて食べる。これはちり、魚(うお)すきと同じ形態で、すすぎという名称もある。しゃぶしゃぶは中国料理の涮肉(シヤンロウ)から転じたもので、肉をすすぎ洗う意である。しゃぶしゃぶは淡泊な味が喜ばれるが、質のよい肉を使わないとおいしい味が出ない。たれは、しょうゆ1カップに酢4分の1カップ、レモン1個分の絞り汁を加えてつくる。ごまだれは、すりごま70グラム、だし汁5カップ、辣油(ラーユー)少々の割合である。

[多田鉄之助]

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「しゃぶしゃぶ」の解説

しゃぶしゃぶ

鍋料理の一種。卓上の鍋で昆布のだし汁を煮立たせ、その中で牛の薄切り肉などをさっと煮て、ポン酢しょうゆやごまだれをつけて食べるもの。肉のほか、白菜などの野菜、豆腐、くずきりなどを用いる。また、熱効率をよくするため中央に煙突のように円筒が突き出た、独特の形の金属製の鍋を用いる。

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百科事典マイペディア 「しゃぶしゃぶ」の意味・わかりやすい解説

しゃぶしゃぶ

なべ料理の一種。ごく薄く切った牛肉を熱いスープ中で振り動かし手早く引き上げ,酢・醤油・ゴマみそ等好みのつけ汁で食べる。豆腐・ハクサイ・ネギ等を添え,また豚肉・魚介等も使用される。中国のショワヤンロウからとり入れられたといわれる。

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