しめ縄(注連縄)(読み)しめなわ

世界大百科事典 第2版 「しめ縄(注連縄)」の意味・わかりやすい解説

しめなわ【しめ縄(注連縄)】

神域など神聖な場所を限って不浄悪穢の侵入を防ぐ縄,七五三縄とも書く。記紀では〈尻久米縄(しりくめなわ)〉〈端出之縄(しりくへなわ)〉と書かれている。《万葉集》の歌にも,一定の区域占有・隔離する意味でシメという言葉がすでに用いられており,〈標〉のほかに〈〉〈縄〉などの文字が当てられている。シメは占め(占有)の印であり,印(しめ)のあることによって占有の状態を示したものである。神域に張られたしめ縄は,いわば神の〈結界占地〉を標示するものとなっている。

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世界大百科事典内のしめ縄(注連縄)の言及

【検封】より

…検査して封印すること,あるいは物品を検査して差し押えること。撿封,検符とも書く。《類従三代格》の870年(貞観12)の太政官符に,大宰府庫保管の甲冑等の武具の損失にさいし,府庫が撿封されているために容易に調査することができない不便さが取り上げられている。また1187年(文治3)に〈官庫納米の習いは,納所使書生をもって撿納せしめ,また撿封せしむること諸国一同の流例なり〉(《吾妻鏡》)とされ,官公庫収納物品が検査のうえ封印されている。…

【祭具】より

…祭祀(さいし)に用いられる器具の総称。祭具は宗教儀礼と有機的に結合している。すなわち祭場の荘厳(しようごん)に用いられたり,神的存在と人間主体とが交わる通路づけの役割を果たしたり,また祭具自体が宗教的象徴物となるなど,さまざまな機能をになって,地上に聖なる儀礼的空間を現出させる。概して祭具は,民俗宗教においては,慣習的にその伝承様式を伝え,成立宗教においては教団の成立過程で定型化され,教義的意味づけを付与されて儀礼的行為のなかに位置づけられている。…

【出産】より

…出産するとすぐ,家の大門や産室,台所の入口などに禁索を張る。これは左よりのしめ縄で,これに男児の場合はトウガラシ,炭,わらを挟み,女児の場合は炭,紙,松葉,わらを挟む。禁索は7日,21日(三七日)または49日の間かけておくが,この間外部の人の出入りは禁じられ,また産屋から物を持ち出すことも禁じられる。…

【点札】より

…土地の帰属を示すために札を立てること。これは古くからあり,《古事記》《日本書紀》に見える素戔嗚(すさのお)尊の悪行の話でもクイとかシメナワとかが土地の帰属を示すものであった。このようなことは鎌倉時代に入ると,武家領においても,寺社領においても一般に行われるようになった。しかし,その内容においてはある変化を見た。すなわち問題の生じた土地に札を立てて,それが解決されるまでは何人も立ち入ることを許さず,また年貢未進の田地に点札して年貢が皆済されるまでその土地を差し押さえるとかいう場合に〈点札(点定(てんじよう))〉といわれるようになった。…

【幕】より

…物を隔てるため,あるいは装飾のためなどに用いられる,横または縦に広く長く縫い合わせた布をいう。ことに演劇上演の場において,舞台のどこか(多くは舞台の前面)につるされた布を指していい,英語ではcurtainとよばれる。また演劇用語では,戯曲の一定の構成単位(英語ではact)も,同じ〈幕〉という言葉でよばれており,このような用語が定着したのは,多くの場合にこの構成単位ごとに,実際の幕が引かれるという事実によっている。…

※「しめ縄(注連縄)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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