ざら

精選版 日本国語大辞典 「ざら」の意味・読み・例文・類語

ざら

〘名〙
① ざらざらしていること。また、そのもの。
② 「ざらがみ(━紙)」の略。
※にごりえ(1895)〈樋口一葉〉二「馴染はざら一面手紙のやりとりは反古の取かへっこ」
④ ばら銭。小銭(こぜに)
※雑俳・柳多留‐五(1770)「夜盗ども見ろと両手でざらを寄せ」
⑤ (形動) 多くあって珍しくないさま。おしなべてあるさま。ありふれているさま。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一二(1762)信三「御給仕の女中はざらにすき通り」
蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉五「子供を東京の親戚へ預けたりするのがざらにあるんだし」
⑥ (形動) 程度や範囲に限定がないさま。むやみやたら。
洒落本・五臓眼(1789‐1801)六「手のとどくだけくめん十めんしてざらに居つづけに置たり」
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉欧羅巴各国に行く「それは勿論ザラに人に見せられるものでない」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ざら」の意味・読み・例文・類語

ざら

[名]
ざら紙」の略。
ざらめ糖」の略。
ばら銭。
「夜盗ども見ろと両手で―を寄せ」〈柳多留・五〉
[形動][文][ナリ]
いくらでもあって、珍しくないさま。「その程度の作品ならざらにある」
むやみやたら。
「それは勿論―に人に見せられるものでない」〈福沢福翁自伝
[類語]沢山多く多い数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜいおびただしいいっぱいあまた多多いくらもいくらでもごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり大挙多勢多人数大人数衆人莫大膨大巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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