ざっと(読み)ザット

デジタル大辞泉 「ざっと」の意味・読み・例文・類語

ざっ‐と

[副]
細部問題にせず、おおまかに物事を行うさま。ひととおり。「書類ざっと目を通す」
全体数量内容などについておおまかな見当をつけるさま。だいたい。およそ。「出席者はざっと1000人だ」
水や雨が勢いよく落ちかかるさま。「ざっと水をかける」
動作がすばやく行われるさま。あっという間に。
「敵を―けちからかして」〈平治・中〉
[類語](1粗粗あらあら粗らかおよそおおよそおおむねあらかたあらまし大ざっぱおおまか粗い粗っぽい粗削り粗放粗略粗雑粗笨そほん雑駁ざっぱく大つかみ丼勘定ラフ/(2およそかれこれほぼ程度くらいばかりほどかた内外見当プラスマイナス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ざっと」の意味・読み・例文・類語

ざっ‐と

〘副〙
① 風や雨などがにわかに勢いよく吹いたり降ったりするさまを表わす語。
※金刀比羅本平治(1220頃か)中「一むら雨ざっとして、風ははげしく吹(ふく)間」
※中華若木詩抄(1520頃)下「軽風かざっと吹たれは、宿雨かとくとくと落て」
② 動作が勢いよく急なさまを表わす語。
※金刀比羅本保元(1220頃か)中「鏑はざっとわれてはらりと落(おつ)
③ ある作業をおおまかにするさまを表わす語。簡略に。
※玉塵抄(1563)一五「さいしょにざっとたいめんして口をきいたれば」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六「今一二年は学校の生活をするかも知れぬと云ふことをざっと話した」
④ 数量、状態、程度などのおおよそのさまを表わす語。あらまし。ほぼ。大体。
※雲形本狂言・木六駄(室町末‐近世初)「よいやよいや、扨々面白い事ぢゃ、ざっと酒盛になった」
滑稽本・古朽木(1780)三「ざっと五十両の損と見ゆれば」

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