さえに(読み)サエニ

デジタル大辞泉 「さえに」の意味・読み・例文・類語

さえ‐に〔さへ‐〕

[連語]副助詞「さへ」+助詞「に」》副助詞「さえ1」に同じ。
「咲きそめしやどしかはれば菊の花色―こそうつろひにけれ」〈古今・秋下〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さえに」の意味・読み・例文・類語

さえ‐に さへ‥

(添加の意を表わす副助詞「さえ」に助詞「に」の重なったもの。→補注) …までも。
万葉(8C後)八・一四六一「昼は咲き夜は恋ひ寝(ぬ)合歓木(ねぶ)の花君のみ見めやわけ佐倍爾(サヘニ)見よ」
※古今(905‐914)恋三・六五七「かぎりなきおもひのままに夜も来む夢路をさへに人はとがめじ〈小野小町〉」
[補注]「古今‐恋三」の例は格助詞「を」と重ね用いられている。同類の格助詞は重ね用いられることがないという点から、「さえに」の「に」は格助詞ではないと考えられ、副詞語尾相当のものが主格として固定したとする説〔時代別国語大辞典‐上代編〕、あるいは間投助詞かとする説〔日本文法大辞典〕などがある。

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