さいまくる

精選版 日本国語大辞典 「さいまくる」の意味・読み・例文・類語

さい‐まく・る

(「さきまくる」の変化した語。「さいまぐる」とも)
[1] 〘自ラ四〙 先まわりをする。また、さし出たふるまいをしたり、さしで口をたたいたりする。
※枕(10C終)二八「また、物語するに、さし出でして我ひとりさいまくる者」
浄瑠璃出世握虎稚物語(1725)二「あのさるくじゃ、口まつにさいまぐり、旦那御前はぬっぺりやれど、高のしれた猿ぢゑ」
[2] 〘自ラ下二〙 (一)に同じ。
※浜松中納言(11C中)二「さすがなるさかしら心の、際高く、さいまくれたるやうなる、返てはうたてありや」
[補注]「まくる」は、「捲る」と見る説と、「枉ぐ」と見る説とがある。「捲る」と見れば、活用も一致し、現代語の「押しまくる」「言いまくる」などの「まくる」と通ずるが、「観智院本名義抄」では、サイマグルと濁音になっており、清濁の問題が残る。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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