ことこと

精選版 日本国語大辞典

こと‐こと

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)

① 戸などをかるくたたく音や、箱の中などで固いものがかるく触れあってたてる音などを表わす語。多くは、木製のもののたてる音にいう。〔日葡辞書（1603‐04）〕

※婦系図（1907）〈泉鏡花〉後「コトコトと其の洋傘(ひがさ)で、爪先の土を叩いて居たが」

② 鍋の中のものが、静かに煮える音を表わす語。

※青べか物語（1960）〈山本周五郎〉土堤の春「鍋の中では鮒の味噌煮がことこと音を立ててい」

③ うれしくなって思わず小さな声で笑うさまを表わす語。

※伊豆の踊子（1926）〈川端康成〉三「私は心に清水を感じ、ほうっと深い息を吐いてから、ことこと笑った」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

こと‐こと

［副］
１ 軽く物をたたいたとき、または軽い物が触れ合うときの音を表す語。「風で裏木戸がことこと（と）鳴る」
２ あまり強くない火力で鍋の中の物が煮える音を表す語。「弱火でことこと（と）煮込む」
[類語]ちゃらちゃら・ちゃりん・じゃらじゃら・ちりんちりん・がちゃがちゃ・かちゃかちゃ・かたり・がたり・かたん・がたん・かたかた・がたがた・かたこと・がたごと・ごとごと・ことり・ごとり・ことん・ごとん・こん・こんこん・ごんごん・がつん・こつん・ごつん・かちゃかちゃ・かちり・かちかち・こつこつ・どん・とん・とんとん・どんどん・かちゃり・がちゃり・かちゃん・がちゃん・かちん・がちん・からから・がらがら・がらり・かんかん・がんがん・どてん・どたん・どたり・すとん・ずどん・ずしん・ずしり・どすん・どさり・どしり・どかん・どしん・ばあん・ぱあん・ばたり・ぱたり・ばたん・ぼおん・ぽおん・ぽんと・ぽんぽこ・ぼこぼこ・ぽこぽこ

出典　小学館