デジタル大辞泉
「こちこち」の意味・読み・例文・類語
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こち‐こち
[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることが多い)
① 堅いものをたたく音、また、堅いものどうしが軽く触れ合う音を表わす語。
※
俳諧・破邪顕正返答(1680)「ふくろに入たるかづらきの峰 こちこちと山ぶしのうつ火うちいし」
② 時計など、規則正しく動く機械の小さな音を表わす語。
※
軍歌・
戦友(1905)〈真下飛泉〉「時計ばかりがコチコチと 動いて居るも情なや」
③ 水分や脂肪などが、なくなったり凍ったりして堅くなったさまを表わす語。〔名語記(1275)〕
※春六題(1921)〈
寺田寅彦〉五「
手足の指等は〈略〉冷え凍えてこちこちして居る」
④ 固くこりかたまっているさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)一二「
賈島が詩も険陋と云たぞ しぶってこちこちとしてあぶないことを作ぞ」
⑤ 緊張して、体や
気持がかたくなるさまを表わす語。
※江戸から東京へ(1922)〈
矢田挿雲〉八「箆棒に長く呼出されてコチコチした
相撲を
御覧に入れ」
⑥ (「こちごち」とも) 茶などの濃いさま、濃厚なさま、転じて、仲のよいさまなどを表わす語。こてこて。ごてごて。
※
四河入海(17C前)一七「さて、只茶をこちこちとたててくれらるるほどに」
※雑俳・末摘花(1776‐1801)二「後家と坊さまこちこちとした
同士」
[2] 〘形動〙
① (一)③に同じ。
※不良児(1922)〈
葛西善蔵〉「こちこちになった
飯粒が喰付いてゐた」
② (一)⑤に同じ。「こちこちになって
舞台に立つ」
③ 頑固で融通のきかないさま。
※舗道雑記帖(1933)〈
高田保〉ヨーヨー
時代「非常時非常時ばかりなので、眼も耳もこちこちになってしまった
折柄に」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報