改訂新版 世界大百科事典 「こぐま(小熊)座」の意味・わかりやすい解説
こぐま(小熊)座 (こぐまざ)
Ursa Minor
略号はUMi。北極星を含む北天の星座。ギリシア神話では大神ゼウスとカリストとの間に生まれた猟師アルカスの変身譚に由来し,母(おおぐま座)とともに熊になった姿を表している。α星は光度+2.0等,スペクトル型F7の超巨星で,周期29.6年の分光連星である。この星は現在天球の日周運動の極から51分しか離れていないので,つねに北の方角に見え,北極星の名がある。しかし歳差現象により天の北極はしだいにこの星から離れていく。日本では北極星を子の星,北辰などと呼ぶが,この星を妙見菩薩に見たてて星祭をする妙見信仰がある。概略位置は赤経15h40m,赤緯+78°。午後8時の南中は7月中旬である。
執筆者:石田 五郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報